2022.02.26

 全然恋人の話をしていなかった人の結婚報告を聞くたびに、マジで人ってめちゃくちゃ恋愛してんな!と思う。自分がこんな感じの人間だから人はパートナーがいない状態がスタンダードという思い込みがあり、パートナーの存在が判明するたびにびっくりするんだけど、そろそろ多分他人はパートナーがいる状態がスタンダードな人が多数派なんだということを認識したほうが良さそう。

 それで、結婚という制度はとにかく特権階級でお得感がすごいので、自分がほぼ恋愛感情がない人間だと認識してからちょっとだけ「マジョリティはいいよな」って思っちゃうのやめたい。けど、結婚自体は家とか籍とか細かいことを抜きにすればロマンチックで素敵やん!お幸せにな!という派なので、マジで既婚と独り身の差は完全に撤廃して結婚は趣味で婚姻届を出すものくらいにしてほしい。まあ結婚制度完全解体でも全然いいんだけど、そこまでやれとは思わない。

 自分のどす黒い感情と向き合う度に、セクシャルマイノリティの人々、(いまは私もだけど私が気付かなかったあいだもずっと)今まで本当にキツかっただろうな、と思う。私はストレートのデミロマンティックで、まあ将来結婚できる可能性はなくはないけど、やっぱり普通にいわゆる恋愛をするとは思えなくて、マジョリティの結婚できない(いまは相手がいない、いままで相手がいなかった、モテないからできそうもない)状態とは全然違うなあと感じる。多分子宮摘出とかもそうで、産まない状態と産めない状態は全然違うんだよな。


 仕事。今日は色々あって推しがイライラ気味(これはマジでしょうがない。ただひたすら相手に誠意がなさすぎる)だったので、お喋りは全然無し。一回話しかけてみたけど目がダメだった。まああれだけ意味不明な状態で関係ない人には笑顔でいられる器用さがあったらそっちのほうが怖いわね、と思って黙ってた。


 結局相手のせいで時間が2時間半ほど押して22時で、片付け終わってから推しがトコトコ近くに来て「お待たせしてすみません」と話しかけてきたので「いえいえ」と答えて、「これで飲みに行けたらよかったんですけど」「まあもう開いてないですよね」「そうですね」「一応、上から帰ってみます?(いつも飲みに行くときは地上から、直帰のときは地下から帰ってる)」「まあでも開いてるからと言ってその店に行きたいかというと…」「ですよね〜」という話をしたあと帰路に着く。

 休日なのでビルの地下一階からゲートを出て、地下通路は開いてたんだけど推しが裏口から地上に上がるので(…?)と思いつつ着いて行く。まあ駅までにたまたま空いてるお店があったら入るのかなあと思って歩いてたら、推しが微妙にお店探して道を曲がるそぶりを見せていて困惑した。珍しく横並びで歩いてたから気付かなくて、(んんん?曲がるの?)みたいになって、まあでも私もさすがにこのご時世に22時にあいてる店に集まってるタイプの人の中で飲みたくはないなあと思って真っ直ぐ歩いた。

 推しが若干しょんぼりしてるのが見て取れたので、「まあ、次の機会ですね。次は焼き肉ですかね?」と言って「焼き肉?」「(場所)に行きたいとこあるって言ってませんでしたっけ?」「ああ。はい、じゃあ、行けるようになったら焼き肉で」と言わせて別れた。来期まで二人作業ない予定だし、来期は作業あったとしてこの組み合わせになるかはわからないのでジャブ。

 この布石を打っておけば時間があいても自分から動きやすいし、というアレなんだけど、推しは歳上だからか意外と奥手ではないというか、普通に筋道立ててあげれば多少は勇気を出して誘ってくれるタイプなんだよな。と思ったけど、そういえばガチ奥手で本当自分から誘って来ねえなアンタ?ってタイプの男の人って出会ったことなくて、本当にそんな人いるのかなあと思う。こっちが手を広げて待ってさえいれば、ガチガチに緊張してるのが見て取れたとしても頑張って話しかけたり誘ってくれる感じあるしなあ。まあ私がそういうコミュニケーションに対して誠実な人を気に入りがちってだけかもしれないけど。

 ところで推しはこんなわかりやすくて可愛いのによく今まで誰にも捕食されなかったな?っていうのがめちゃくちゃ不思議なんだけどなんで?


 自分の感情が別に恋愛じゃないし、恋愛なのかと悩まなくてよくなってからお気に入りの人間の話ガンガンできるの嬉しいな。恋愛じゃないけど、「え、そんなつもりじゃなかったんですけど…」というつもりもないので許してほしい。私との関係は私とのオーダーメイドにしてほしい。

 しかし今が一番楽しいのかもと思ったしそう言われがちなように見える感もわかるけど、多分全然ずっと楽しいんだろうなと別の友人との関係を思い返して思いました。ずっと楽しい。