2021.03.31

『スペインの宇宙食』『ペスト』


 8時から2回スヌーズをかけて起床。今日はミーティングが朝礼だけなので、顔も洗わずに髪だけ適当に整えて出席。


 仕事。とはいえ今日は細々した事務作業以外は自習という名のとくにやることがない日なので、部屋を片付けて、もう明け方には汗ばむようになった冬用の羽毛布団を仕舞うために洗う。羽毛布団と布団カバーをつけたり外したりする行為、大っ嫌いだったけどまあ一年も暮らせば手慣れてくる。緑の布団カバーを無彩色(白かグレー)にするか悩んでいる。

 水槽を観察。株分けした水草は芽が出たり出なかったりで、それぞれ原因もよくわからず難しい。陰生植物なのでもう少し気長に待ってみる。


 昼ご飯は新じゃがのジェノベーゼ。ソースはオリーブ入りのやつにしたんだけど、前に買っていたシンプルなやつのほうが美味しかった。

 というか、ベランダでバジルやらなにやら育てたいと思ってからもう一年経っちゃったなあ。あったら便利だけどなきゃないでなんとかなるので、なかなかやらない。生バジルで作るジェノベーゼソースはそれはもう市販品とは比較にならないくらい美味しいことはわかっているのだけど。


 午後は久しぶりに『分離派の夏』を聴いたあと、『After War In Tokyo』を聴きながら『スペインの宇宙食』を読む。アンダーウォーターフェチについての頁を読んで、泳ぎたくなった。


 ここ数年間、海を眺めたりする機会はあったけど(いつも人といるので、満足行くほどには眺めてないけど)、全然泳いでない。この前友人に静岡に有名なシュノーケリングスポットがあると聞いて話してたら「船で行くんだ」と言われて、なんで海の中にいるときまで人とコミュニケーション取らなきゃいけないんだと思って、私が水中が好きなのも、水中が好きなくせにダイビングは嫌いなのも、そういうところだなあと思った。自転車も近い。孤独で、自力で行ける場所にしか行けない。あと誰にも口出しされずに自分(と自然)だけが生死を握っているところも多分好き。その感覚が好き。

 海を見ているとここに帰りたいと思うし、ここから生まれたんだなあと思うし、足を水に浸してると呼ばれるからどんどん深いほうに行ってしまうんだけど、その死への欲求を振り切って生きる(本当は生きたいんだと感じる)快感があるから、死がそばにあることが好きなんだろうなあ。


 忙しいとき、毎日日記を更新することだけを目的に(将来的になんらかの意味があると思って)(意味とは現代社会に蔓延っている有益さのことではない)書いていたときから薄々感じていたけど、日記を書くことって時間以外にもなにかを消費している。とても疲れる。あとやっぱり、通勤電車でまとめて書くものじゃなくて、一日の中でずっと書いて消して、思考の流れを記録したり整理し続けるためのものだなあ。出来事の記録ではない。


 夕飯にピーマンの肉詰めを作りながらロンハー。野田の太もも…悲しい…。あとTVerのおすすめに出てきた『おもしろく入る部屋』。まだ途中だけど面白かった。


 一日中、定期的に羽毛をほぐしてふわふわになった布団が乾く。食べていけさえすればどう考えても都会暮らしなんかよりこういう生活が向いていて、小学生の頃の夢が無人島に住むことか、鷹匠になることか、オーストラリアで羊飼いになることだった私は全く正しい。いまの働き方は仮だと思っているけど、しかし企業勤めをやめられるほどの算段はないから、どうやって生きていこうかねこの先、って感じだ。


 お風呂から上がって、ミルクティー飲みながら譜読み。やっとできた。ココアが飲みたかったけど、切らしてて買いに行くのめんどくさかったので紅茶。あと少し早いけどもうドリップコーヒーのパックが切れてしまったので水出しアイスコーヒーを仕込んだけど、水出しアイスコーヒーのパックもラス1だったし、紅茶も残り少なかったし、この微妙な時期は普通のアイスカフェオレよりもミルクコールドブリューの方が飲みたいし、とにかく明日はカルディに行かなければ。


 勉強をしてから(これも久々)、『ペスト』を読んだ。『ペスト』では市民に流行病がペストであると認識され、町が閉鎖された状態に入った。『ペスト』をこんなに切実に、共感やら憂いを含んで読める日が以降あるのだろうか、と思いながら読んでいる。いま読んでよかった。まさか『12人の優しい日本人』のリモート朗読を観たときと同じ気持ちになれるとはね。