2021.02.03

 今更ながらカミュの『ペスト』を読んでいる。面白いのだけど、まあ多分読み返さないかなあという感じ。そういうんじゃない読書もしたくて、柿内正午『プルーストを読む生活』にも手を出す。

 この手の日記やエッセイばかり読んでいると、youtuberの動画を見続けるのと同じく、大体途中で体調が悪くなるのだけど、柿内正午はちょうどよく捻くれてて芯があるから良い。あと無駄にエモく書かないし、ひらがなを多用しない。「毎日プルーストを読んで毎日日記を書く」というパッケージが掴みになってはいるけど、毎日の日記はいわゆるバズらなそうなところが好き。私の目指すところに近くて、やっぱり買ったのは当たりだったと思う。

 ただ、いかなる場合においても、個人単位の繋がり以上に広がった集団というものが苦手で、覗いてみた彼のTwitterはもう見ないだろうなと思った。


 前にも書いたけど、そろそろこう、移動と旅先での読書がしたい。移動の隙間でもっと面倒くさい本が読みたい。少なくとももうちょっと無意味に外に出ないとダメだ。

 背伸びでいまの人格が形成されていると実感しているし、いまもずっと背伸びが好きで、だから今の背伸びをしない風潮や、すぐにショートカットしようとする風潮が好きじゃない。そういう本でないことはわかっているけど、プルーストを読もうとすら思わずに『プルーストを読む生活』を称賛する人間よりは、黙ってプルーストを読む人間でいたい。その感覚は個人的な譲ってはいけない一線だと思っていて、私がサックスを吹くことにも意味があるなあと、今日練習しながら思った。ド鬱で二週間楽器に触らなかったら全然吹けなくなっていたけど。

 詐欺師がはびこって、変な教養主義が蔓延する世界より、古典を読んでないことで馬鹿にされる世界のほうがずっとよかった。コンプレックスも感じてたけど、あの世界で生きてよかったし楽しかった。

 しかし多分そういうところがあるであろう菊地成孔の『スペインの宇宙食』は肌に合わなくて、読まずに手放す気がする。残念。


 最近は日本で名前がついていないような中華料理にハマっている。美味しすぎるし、お米が進みすぎる。やっぱりアジア圏の料理、名前のない雑な屋台で食べられるやつが一番美味しい。

 雑料理、日本で一般化しないのは多分食材がネックで、仕方ないので最近は肉を干して咸肉を作り始めたりしている。料理は好きだけど、美味しいもの食べたい(のと、美味しくない料理食べるとめちゃくちゃテンション下がってしまう)ので作ってるだけで、別に趣味って感じではなかったのだけど、さすがに趣味っぽくなってきたなあ(主観としてはいまだに特に趣味ではない)。相変わらず写真映えはしない料理なんだけど。


 『テレビ千鳥』津田のカッパの話の回。めちゃくちゃ面白いのと、ちょっとやめてのギリギリのラインで、でもめちゃくちゃ面白いので困った。

 でもやっぱり水好きとしては、かなり「川を舐めるな」という気持ちにはなった。テレビ、ニュースすら大した裏取りも使命もなきゃ、バラエティなんて全然安全確認してないことがもうバレちゃってるからヒヤヒヤする。


右手親指の爪を深爪してしまって痛い。