2020.10.03 太陽の塔

2020.10.03

そういえば昨日は帰宅したら0時をまわっていて、友人に「誕生日おめでとう」と言ってもらった。旅行の日程が決まったときには、途中で気が付かれるのも、気を使わせるのも面倒だし、向こうが気が付いてなかったら朝一に自分で言おうと決めていたのに、自分がすっかり忘れていたのでびっくりした。結局、覚えていてくれるのが一番嬉しいことだ。

「荷物になるのでプレゼントはありません」と言われたので「お気遣いなく」と言ったら、「お気遣いなくと言われるとそれはそれで寂しい」と言っていたのが可愛かった。

友人は多分私たちが同い年なのを知らないだろうなあと思ってずっとそれとなくジャブを打っていたのに、今まで年下だと思われていたことにはびっくりしたけど。こちとらあなたのセンター試験の点数まで知ってるんだから、私が同い年だと言ったら同い年でしょうよ。


朝は6時40分に目が覚めて、さすがにもう少し寝ようと思ったけれど、もし次に目が覚めて10時とかだったらもったいないなと思うと眠れず、7時前に起きた。

友人には前日に話していた通り、もし友人が起きなければ1人で散歩してモーニング食べて帰ってくればいいやと思っていたのだけど、結局彼が何時に起きるものなのかよくわからなかったので、身支度を整えたあと、カーテンの隙間からの光で本を読んだ。

8時半に目覚ましが鳴って、私が出かけていたと勘違いした友人が私を見て「しかも帰ってきてるし」と落ち込んだりしていたけれど、なんだかんだで9時にはホテルを出て、英國屋にモーニングを食べに行った。アメリカンワッフル、美味しかった。

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天気予報は東京を出発する前までコロコロと変わって、結局全日暖かくて晴れの予報になったけど、一応一番の目的であった太陽の塔を晴れの日に見に行こうと太陽の塔へ向かう。

モノレールで運転席を見られる席に座れて(進行方向かと思ったら逆だったけど)、外を眺めながら、そういえばいつもはなんだかんだ仕事のことを考えてしまうけど、東京を出てから本当に無心でいられるなと気付いた。でもこれは話してしまうと友人に仕事のことを思い出させてしまうから言わないことにして、久しぶりに思考の赴くままぼんやりとしていたら、友人に「こういうときってなに考えてるの?」と聞かれて、全部話すんだったと反省した。

でも聞かれてから考えてみても、結局なにを思っていたのかあまりわからなかったな。ただ、最近はボーッとのんびりしようと思ってもあまりできずにいたので、まだちゃんとこの感覚が残っていることが嬉しかった。

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モノレールが万博公園の最寄り駅に着く。太陽の塔が見えたとき、真っ先に「怖い」と声が出た。神に対する畏怖のようなもので、久々に芸術で足元がぐらつく感覚があって、若林が言ってたこと、全然大袈裟じゃなかったんだなあと思った。

公園に向かう道にはテントを持った家族がたくさんいて、幸せと異質さのギャップがすごかった。


公園に入ってすぐに目の前に現れる太陽の塔を正面からまじまじと眺めたあと、横から見たいと歩き出す。斜めから顔を見ると、あんなに怖い顔なのに頬の丸みや唇の開きが赤子のようで、やっぱり芸術の根源って生命なのだなあと感じた。

後ろにまわると黒い太陽のようなものが現れて、そちら側を見ているとなんとなく太陽や神や正しさに背いているような居心地の悪い気持ちになった。

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根元からしばらく太陽の塔を眺めていたら中に入れることに気付いて、一番早かった2時間後のチケットを予約して、時間潰しに歩き始める。

池に浮かぶオブジェを見て、ああ、日本って豊かだったんだなあと思ったりしたけれど、そんなことは関係なく芝生で無邪気に遊ぶ子供たちを見ていると眩しくて、この子たちが広い世界を見られるようになったときに、絶望しなくてすむ国であってくれよ、と願った。(というか、そういう国にしていく側にもう立ってるんだよね、任せてとはまだ到底言えないけれど。)


歩いていたら音楽が聴こえてきたので音のする方へ向かったら、OUTDOOR PARKというイベントをやっていたので入ってみる。

やってみたかったスラックラインの体験をしたり(もうちょっとでできそうで、家に欲しいくらい悔しかった)、芝生の上でかすうどんを食べたりした(かすはいらなかった)。旅行というより、大阪に住んでる人の休日っぽくて、楽しかった。


時間になったので太陽の塔内部に向かう。

もう言葉じゃ言い表せないくらい食らって外に出てきたら、小さい男の子が太陽の塔を見て「ママこれ本物ー?」と言っていて笑っちゃった。友人が「この上なく本物だよ」とつぶやいていてよかった。


公園を出て、観覧車はスルーして(この旅行でずいぶん観覧車を見た気がするけど、友人が好きなのを知っていたからそう感じただけだろうか)、blackbird booksへ向かう。

この旅行に出てから、私のぼんやりにはその環境だけではなく、東京から外に出ることが重要なんだと感じていて、それがなぜかを考える上でのヒントになりそうな『旅の効用 人はなぜ移動するのか』という本に出会ったので買った。


疲れたので一度部屋に戻って温泉、の予定だったんだけど、倒れ込んで寝て、そのあと温泉。夜は焼肉屋さんに向かう。

大阪では2人乗りの自転車によく出会うのだけど、焼肉屋さんに歩く途中で出会った、後ろに乗っている彼女が彼氏に煙草を咥えさせている2人がベストオブ2人乗りでした。あの2人はこの瞬間、ほんとうに幸せなんだろうなあと思いながらすれ違った。


焼き肉は床に七輪を置いて胡座というスタイルで、住宅街にあるので窓が開けられず煙が充満してて(でも禁煙で)、超美味しくて最高だった。

最初友人が肉を焼いてくれて、途中で交代したのだけど、「俺が焼いたほうが美味い」と言って結局全部焼いてもらった。この人忙しない焼き方するなあと思っていたけど、理由があったらしいとあとから聞いた。

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帰りは公園に寄り道したり大阪城見たりしながらだいぶ歩いて、「オードリーの」「「オールナイトニッポン」」とか言いながら歩いているリトルトゥースの男女とすれ違ったりして面白かった。

iPhoneの歩数が私は3万歩を多分初めて越えたのだけど、友人は越えておらず、「歩幅の差かー」と話しながら帰って、またベッドに倒れ込んで、疲れすぎてそのまま眠った。


***


2020.10.08

全然起きられるけど、気持ち的にとにかく朝がつらい。これは仕事じゃなくて寒さのせいにしたい。


私には素直に向いていると思う生き方が実は2つあって、後者もいいんだろうなって、仕事で部内の人にキャリアのインタビューをしていて思ったりもする。

諦めを抱えて折り合いをつけて、それでも家族を愛しているお父さんたちにピース。

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